女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの

 

座禅草が咲いている高原で 5


「さあ、おじょうさま。遅くなるといけないか
ら、急いで馬小屋へ行こう」
「清太さん。二人だけの時は、きよってよんで」
「おらは、この家の使用人だ。おじょうさまのこ
とを、きよなんてよびすてにはできない」
「何いっているの。清太さん」
「だって、庄屋のおじょうさまだもの」


「たしかに、私は庄屋の娘よ。みんなから、庄
屋のおじょうさまって、よばれているわ。でも、
私は、おじょうさまということばが大きらい。
清太さんには、きよってよんでほしいの」
「それはそうだけれど・・・。おら、この家に
世話になった時から、おじょうさまってよんで
いるし。急にそういわれてもね」


         つづく