[童話]古事記神話「古事記物語」
沼河比売 8
すると、沼河比売が、家の中からこんな歌を返しま
した。
八千矛神さま。
私は、しおれた草のような女です。
私の心は、ふらふら飛ぶ水鳥のようです。
今は、自分のことしか考えていない鳥ですが、いず
れはあなたの鳥になりましょう。
だから、鳥を殺さないでください。
緑の山に日が沈むと、真っ暗な夜がやってきます。
夜になったら、朝日のようにやってきて、白い腕で
私をやさしく抱いてください。
そして、私の手をしっかりにぎってください。
玉のような私の手を枕にして、足をのばしゆっくり
休んでいただきましょう。
だから、むやみにこいこがれますな。
八千矛神へ。
つづく
「古事記」は、どのようにして編集されたのか?
古事記神話「古事記物語」を書いた数年後、
斎木雲州著「古事記の編集室」を読みました。
著者の「斎木雲州」さんについては、この本を。