竹取物語

[童話]竹取物語


石作の皇子と仏の御石の鉢 2


皇子は、その鉢に、たっぷり煤墨を塗り、錦の袋に
入れ、かぐや姫の家へ持って行きました。
かぐや姫が、石作の皇子が持ってきた鉢をみると、
鉢の中に手紙が入っています。
ひろげてみると、次のような歌が。


海山の道に心をつくしはてないしのはちの涙ながれき


かぐや姫は、「鉢に光があるかしら」と、何度も鉢を
みました。
でも、何の光もありません。


置く露の光をだにもやどさまし小倉の山にて何を求めけむ

 
かぐや姫は、その鉢を、皇子に突き返しました。
 
 
         つづく