竹取物語

[童話]竹取物語


くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝 12


昨日、難波から都へ帰りました。
海の水でぬれた衣を着替えもしないで、こちらに直
接きたのです。
おじいさんは、皇子の話を聞き、大変な思いをして、
玉の枝をとってきたのだなと思いました。


皇子の話を聞き、おじいさんが詠んだ歌。

 
 くれたけのよよのたけとり野山にも

 さやはわびしきふしをのみ見し 


皇子は、おじいさんの歌を聞き、歌を返しました。


 我が袂今日かわければわびしさの

千種の数もわすられぬべし


二人が話をしていると、金工が六人、庭へやってき
ました。
そして、一人が文ばさみに文をはさんで訴えました。

 
         つづく