竹取物語

[童話]竹取物語


帝のお召しに応じないかぐや姫 14


「姫。月をみて、物思いにふけっているようだが、何
か悩み事があるのかね」
おじいさんが、聞きました。
「月をみると、心細くしみじみした気持になりますが、
何も悩み事はありません」と。


しばらくして、またおじいさんが姫の様子を見に行
くと、まだ物思いにふけっているようでした。
「大切な姫よ、何を思い悩んでいるのかね。悩み事
は何かな」
「悩み事は、何もありません。ただ、月を見ると、何と
なく心細くなるだけです」


            つづく