竹取物語

[童話]竹取物語


帝のお召しに応じないかぐや姫 17


月の都の人なのです。それなのに、前世の因縁に
より、この世に生まれました。もうすぐ月の都へ帰る
時がきました。今月の十五日に、月の国から迎えに
くることになっています。私は、月に帰らなくてはな
らないのです。二人がこのことを知ったら、悲しむだ
ろうと思い、この春以来、悩んでいました」
そういって、姫ははげしく泣きました。


「姫、何をいうのだ。竹の中で、姫をみつけた時に
は、三寸位だったのに、今ではじいの身の丈と同
位になった。じいが大切に育てた姫を、誰が迎え
にくるというのだ。そんなことは、じいが許さん。も
しそんなことになったら、じいが死にたい」


            つづく