竹取物語

[童話]竹取物語


帝のお召しに応じないかぐや姫 15


「姫、もう月をみてはいけません。姫の様子をみると、
何か悩んでいるようにみえるが」
「私は、月をみないではいられません」
と姫がいいました。
姫は、月が出ると、縁側に座り、ためいきをついてい
ます。
月が出ていない時は、物思いにふけっている様子は
ありません。


姫は、月が出る時刻になると、時々ためいきをつき、
泣いています。
「まだ姫さまは、悩み事があるようです」
仕えている人たちは心配しました。
でも、姫が何を悩んでいるのか、誰もわかりません。


            つづく