竹取物語

[童話]竹取物語


帝、かぐや姫の昇天を確かめる 5

 
「じいは、迎えにきた人を、長い爪で目の玉をつぶし、
髪をつかんでつき落してやる。そして、尻をまくって、
帝の兵士たちにみせ、はじをかかせてやる」


「じい、そんな大きな声を出さないでください。屋根
の上にいる兵士たちに聞かれたらはずかしいです
よ。大切に育てていただいたのに、月に帰ってしま
うことは、ほんとうに残念です。前世からの宿縁がな
かったために、まもなく月に帰らなくてはなりません。


お世話になったのに、二人に何のお礼もできなか
ったので、月の王にお願いしました。せめて今年だ
けでもここにいさせてくださいと、休暇の延長をお願
いしたのですが、許可されませんでした。


            つづく