竹取物語

[童話]竹取物語


帝、かぐや姫の昇天を確かめる 8

 
地上から五尺ほど上に立っている人たちの衣装の
素晴らしさ。
こんな美しい衣装は、今までみたことがありません。
かぐや姫が乗っていく車が、一台用意してあり、薄
絹をはった天蓋がさしかけてありました。


その中にいた王が、「翁、でてこい」と、いいました。
猛々しく構えていたおじいさんは、その声を聞くと、
何かに酔ったようになり、うつぶせに伏してしまいま
した。


月の王が、おじいさんに、
「おまえは、未熟者だ。おまえが、つつましく真面目
に生きていたので、わずかな期間だけと思い、姫を
下界におろしたのじゃ。
 

            つづく