2021-03-21 開善寺の早梅の精 童話 [童話]開善寺の早梅の精 開善寺の早梅の精 16 梅の花匂ふ袂のいかなれば 夕暮れごとに春雨の降る 文次は、「あの人の香りが残る袖は、毎夜私の涙で ぬれている」という意味の歌をよみました。 文次は、梅香のことがわすれられなかったのでしょ うね。 この歌をよんだ翌日、文次は戦場でなくなりました。 「この世の最後に、梅香さんと歌あわせができてわ しは幸せだった。梅香さん、ありがとう」 そういって、文次はあちらの国へ旅立っていきました。 おわり