鹿になった観音さま

[童話]鹿になった観音さま


    鹿になった観音さま  20


「いつから、石があったのじゃ」
「今、畑に行ったらありました」
和尚は、いそいで畑へ行ってみました。
畑には、大きな青い石がころがっていました。


「みごとな石じゃのぅ。この石は、タケルとチハヤの
みがわりにちがいない」
和尚は、大きな石をみていいました。
「わん、わん、わん」
大きな石のまわりを、タケルとチハヤが、うれしそう
に走りまわっています。


普門寺は、その後、「立石寺」とよばれるようになり
ました。
そして、村の人々は、大きな石のあるあたりを、「た
ていし」とよんでいます。


            おわり