鹿になった観音さま

[童話]鹿になった観音さま


    鹿になった観音さま  19


「タケル、チハヤ。さあ、たくさんおあがり」
和尚は、二匹の犬にえさをやりました。
二匹の犬は、よほどおなかがすいていたのでしょう。
あっという間に食べてしまいました。
和尚は、二匹の犬をうれしそうにみていました。
 

すると、
「和尚さま。た、大変です」
こぞうが、とびこんできました。
「そうぞうしい。なにごとじゃ」
「和尚さま。裏の畑に、大きな石がころがっています」
「何? 石が。どんな石じゃ」
「三メートルくらいある、でかい石です」


            つづく