日本武尊と明神さまの弓

[童話]日本武尊と明神さまの弓


    日本武尊と明神さまの弓  1


十二代、影行(けいこう)天皇のこどもに、「おうすの
みこと」という気性のはげしい乱暴な皇子がいました。   
後に、熊襲たけるを討ち、日本武尊(やまとたける
みこと)といわれたかたです。


ある朝。
「おおうすは、なぜ食事の席に顔を出さないのだ。み
んなと一緒に食事をするように、兄に伝えなさい」
天皇が、おうすにいいました。
しかし、五日たっても、おおうすは顔を出しません。
「おおうすは、今朝も顔を出さない。おまえは、兄にち
ゃんと伝えたのか」
「伝えました」


           つづく