赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


    赤い夕顔の花  15


「さあ、お万。この野良着に着がえ、急いで城をでな
さい」
盛永が、お万をせかしました。
お万と長五郎は、うすよごれた野良着を着て、家来と
ともに城を出ました。


五分後。
「ぱか、ぱかっ、ぱか」
下条軍のひずめの音が聞こえてきました。
「ひひーん」
「ひひーん」
馬の鳴き声も聞こえます。
「おー」
「おぅー」
兵士たちのさけび声も聞こえました。


           つづく