赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


    赤い夕顔の花  49


おばあさんは、長五郎の手から、無理やり夕顔の花
をひったくりました。
長五郎は、何がおこったのかわからず、おびえてい
ます。
「申し訳ございません。ことわりもなく、夕顔の花を一
ついただきました。どうか失礼をお許しくださいませ」
お万が、おばあさんにわびました。


「みかけない顔じゃが、どなたじゃ」
「私は・・・」
「奥がたさま。名前をなのってはいけません」
そうべえが、小声でいいました。


           つづく