赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


    赤い夕顔の花  42


「長五郎、疲れたでしょ。だいじょうぶですか」
「だいじょうぶです」
「もうすぐ朝になりますよ。戸口へ着いたら、そうべえ
さんの家へ寄り、少し休ませてもらいましょうね」
「お母さま。そうべえさんて、誰ですか」
「以前、城で働いていた人ですよ。浪合の実家へ帰
る時には、いつもそうべえさんに送っていただいたの
よ」
お万は、そうべえのことを、長五郎に話しました。


一時間後。
お万たちは、ようやくそうべえの家にたどりつきました。
「ごめんください。そうべえさんのお宅でしょうか」
「そうじゃが。どなたかな」


           つづく