2021-09-17 赤い夕顔の花 童話 [童話]赤い夕顔の花 赤い夕顔の花 57 「奥がたさま。盛永さまのことは、何も気にすることはありません。悪口をいいたい人には、いわせておけばよ いのです。人の口には、戸はたてられませんから」 そういって、そうべえはお万をなぐさめました。 「戦さえなかったら、長五郎にこんな辛い思いをさせな くてもすむのに。一日も早く戦のない平和な世の中に なってほしい」 お万は、心の中でそっとつぶやきました。 お万たちは、浪合の実家に向かって道をいそぎました。 つづく