2021-08-20 赤い夕顔の花 童話 [童話]赤い夕顔の花 赤い夕顔の花 29 私は、盛永さまに「少しは領民のことも考えてくださ い」と、なぜいえなかったのだろうか。 犬坊は、盛永につかえた三年間を思い出し、複雑 な気持になりました。 どのくらいの時間がすぎたのでしょうか。 「お万。お万は・・・無事か」 眠っているはずの盛永が、ぽつりといいました。 「殿様」 「殿様」 犬坊が、盛永に声をかけました。 盛永は、ぐっすり眠っています。 つづく