2021-08-21 赤い夕顔の花 童話 [童話]赤い夕顔の花 赤い夕顔の花 30 「お万」ということばは、盛永の寝言だったのでしょ うか。 「お万。お万は・・・無事か」ということばを聞いた犬 坊は、頭の中が真っ白になりました。 犬坊は、ぐっすり眠っている盛永の口から、そんな ことばを聞くとは思ってもいませんでした。 盛永さまは、誰よりもこの私を愛し、かわいがってく れていると思っていた。 でも、盛永さまが愛していたのは、私ではなく奥が たのお万さまだったのだ。 犬坊の心は、乱れました。 つづく