[童話]赤い夕顔の花
赤い夕顔の花 47
やっと向方へつきました。
農家の庭先に、白い花が咲いています。
「何の花かしら」
近づいてみると、真っ白な夕顔の花でした。
「お母さま。きれいな花」
「長五郎。これは、夕顔の花ですよ。美しい花ね」
お万がいいました。
長五郎は、夕顔の花をじっとみています。
「そうべえさん。この家のかたにお願いして、夕顔の
花を一つ分けていただきましょう」
「奥がたさま。そんなことをしてはいけません。奥がた
さまだということが、ばれてしまいます。黙って、一つ
だけ花をいただきましょう」
つづく