海彦山彦

[童話]海彦山彦


      海彦山彦 16


海の神が鯛の喉を調べると、大きなつり針がささっ
ていました。
すぐにつり針を取り出し、きれいに洗い清めました。
「山彦よ。探している針は、これかな」
「はい。その針です」


「このつり針を、兄に返す時、こういいなさい。この
つり針は、ぼんやりの針・猛り狂う針・貧しい針・役
立たずの針といって、後ろ手に兄にわたしなさい」


            つづく