大国主命

[童話]大国主命


      赤い猪 3


そのことを知った大国主命のおかあさんは、嘆き悲しみま
した。
泣きながら大空へかけのぼっていき、高天原にいる神産
巣日神(かむむすひのかみ)にお願いしました。
「どうか私の息子を助けてください」と。


神産巣日神は、蚶貝比売(きさがいひめ)・蛤貝比売(う
むがいひめ)と名のついた赤貝と蛤を呼び、下界へ送りま
した。
二人は、蘇生の特殊能力を持っている女神でした。
二人が下界へつくと、大国主命はまっ黒こげになって倒れ
ていました。
すでに息はありません。


           つづく