[童話]明神さまの姿をみた少女
明神さまの姿をみた少女 2
少女が明神さまへ千回目のお参りにいった日。
ひとっこ一人いない静かな境内を、ぴゅーと
心地よい風が通りすぎていきました。
「なんて気持のよい風だこと」
少女がそうつぶやいた時、社の方からおごそ
かな声が聞こえてきました。
「おまえは兄思いの優しい少女じゃのー。兄
の病気はじきによくなるだろう。いつまでも
今の優しい気持をわすれずに生きていくのじ
ゃよ。わしは時々少年の姿になって、諏訪の
地をあちこちみて歩いているので、おまえの
ことも兄のこともよーく知っているぞ。これ
からも兄と仲良くするのじゃよ」
つづく
「明神さまの姿をみた少女」は、
みほようこ初めての童話集「風の神様
からのおくりものに収録されています。
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