[童話]守屋山に黄金色の花が咲いた
守屋山に黄金色の花が咲いた 5
「少女よ、これくらいの苦しみや悲しみに
負けるなよ。おまえのことはこのわしがし
っかり守ってやるぞ」
明神さまは少女の顔をみるたびに、心の中
でそうつぶやくのでした。
それから三年三カ月がすぎました。
山深い村にも、ようやく温かな春がやって
きました。
少女は兄を喜ばそうと、守屋山へ黄金色の
花を探しに行こうと思いました。
幻の花といわれている黄金色の花さえ見つ
かれば、兄がやさしい人になれるような気
がしたのです。
つづく
「守屋山に黄金色の花が咲いた」は、
みほようこ初めての童話集「風の神様
からのおくりもの」に収録されています。
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