明神さまの姿をみた少女

[童話]明神さまの姿をみた少女


明神さまの姿をみた少女 13


「ぴゅー」というここちよい風で、少女は
はっとわれにかえりました。
松虫草の花が風でかすかにゆれています。
何千匹といた赤いくじゃくちょうは、どこ
へいってしまったのでしょうか。
あちこちさがしましたが、一匹もいません。


明神さまの所へ案内してくれた小鹿も、ど
こにもいませんでした。
少女は何本かの松虫草の花をたおると、足
早に急な坂道をくだって家にいそぎました。
明神さまが住んでおられる社が、遠くの方
にみえてきました。


        つづく





「明神さまの姿をみた少女」は、
みほようこ初めての童話集「風の神様
からのおくりものに収録されています。


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