[童話]竜神になった三郎
竜神になった三郎 18
三郎はひっしで舟をこいできたので、うでが
疲れていました。
「あーあ」
三郎がせのびをしようとたちあがった時、兄
たちは「それ、今だ」と、目くばせしました。
「えいっ」
兄たちは、三郎を後から力いっぱいおしました。
「あっ」
声をあげた時には、三郎はまっさかさまに湖
におちていました。
三郎の目にとびこんできたのは、うずをまい
ている水面でした。
うずはだんだんに大きく、強くなってきました。
「太郎兄さーん、助けてぇ」
「次郎兄さーん、助けてくれー」
三郎は、ひっしで兄たちに助けを求めました。
つづく
「竜神になった三郎」は、
みほようこ二冊目の童話集「竜神になった
三郎」に収録されています。
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