かきつばたになった少女

[童話]かきつばたになった少女


かきつばたになった少女 9


しかし、濃い霧のため、一寸先もみえません。
とほうにくれたかきつばたは、沼のほとりで、
霧が晴れるのをじっと待ちました。


「おとうさま、ごめんなさい。私はおとうさ
まとの約束をやぶり、一人で霧が峰へきまし
た。病気のおばさまに、きすげの花をプレゼ
ントしようと思ったのです。おとうさま、ど
うか霧が早く晴れるように、私をしっかり守
ってくださいね」
かきつばたは、心の中でおとうさんにお願い
しました。


        つづく





「かきつばたになった少女」は、
みほようこ四冊目の童話集「ライオンめざめる」
に収録されています。


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