[童話]かきつばたになった少女
かきつばたになった少女 8
そのため、かきつばたは、誰にも行き先を
つげず、たった一人で霧が峰へ行こうと思
ったのです。
霧が峰へつくと、広い草原には、きすげの
花が、一面に咲いていました。
「わー、きれい!!」
かきつばたは、思わず大声をあげました。
「おばさまは、この草原を、大好きな人と
一緒に歩いたのね」
かきつばたは、二人の姿を思いうかべなが
ら、夢中できすげの花をつみました。
ところが・・・。
はっと気がつくと、あたりは霧で真っ白で
した。
いつ霧がでてきたのでしょうか。
かきつばたは、いそいで家に帰ろうと思い
ました。
つづく
「かきつばたになった少女」は、
みほようこ四冊目の童話集「ライオンめざめる」
に収録されています。
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