竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


竜の姿をみた少女 25


「ああ、いるとも。大昔は、どの人も、かなの
ように心が美しかった。 疑うことを知らない、
むじゃきな人ばかりだったのじゃ。だから、竜
の姿をみることができた。どの人も、神様と話
をすることができたのだよ」


「えっ、神様と話をすることができたの?」
「そうじゃ。どの人も、神様と話をすることが
できたのじゃ。ところが、いつしか心に曇りが
でき、心が真っ黒になってしまった。そのため、
神様の姿をみることも、神様と話をすることも
できなくなってしまったのだよ」
かなは、ふしぎな思いで、おじいさんの話を聞
いていました。


          つづく







「竜の姿をみた少女」は、
みほようこ五冊目の童話集「竜の姿をみた少女」
に収録されています。


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