[童話]火とぼし山
第五章 次郎の見合い 4
「ことわったけれど、どうしても姪と会ってほしいとい
うんだ」
「次郎さんは、その人と会うつもりなの」
「いや、会うつもりはない。おらには、きよちゃんとい
う大事な人がいる。だから、会うつもりはない」
次郎は、きっぱりいいました。
きよは次郎の気持を聞き、安心しました。
でも、次郎さんは、はっきりいやといえない人だから、
ことわりきれずにその人と見合いをするのだろうなと、
きよは思いました。
次の朝。
「ねぇ、次郎さん。今度はいつ会えるの」
きよが、いつものように聞きました。
つづく