火とぼし山

[童話]火とぼし山


第七章  新しい出発 12


「私が、じゃま?」
「そうじゃ」
「私が、じゃまだなんて」
「次郎は、大きな農家の一人娘とつきあっていただ
ろ。主人から、姪と結婚してほしいといわれ、どうした
らよいのかわからなくなってしまったのだろう。次郎
は、小さな時から、おまえのことが大好きだった。で
も、将来を考えると、大きな農家のむこになった方が
いいと思ったのだろう」


「そんな・・・」
そういったまま、きよはだまってしまいました。
いくら明神さまが話しかけても、きよは何も答えません。


               つづく