火とぼし山

[童話]火とぼし山


第七章  新しい出発 10


「手長、足長。ご苦労さま。きよを助けてくれてあり
がとう」
明神さまは、二人に何度も礼をいいました。
「さあ、そこへきよをねかせておくれ」
「はい」
手長と足長は、ふとんの上にきよをねかせました。


「きよ」
「きよ」
「なぜ、うずにはまったのじゃ」
明神さまは、心の中できよに話しかけました。
すると、
「次郎さんが・・・」
「次郎がどうした」
「次郎さんがたいてくれた火が」
「きよ。火がどうしたのじゃ」
「火が南にともっていたの」


               つづく