火とぼし山

[童話]火とぼし山


第五章  次郎の見合い 13


次郎、おまえのことをいちずに思っているきよのこと
を、忘れてはならないぞ。おまえのことを、あんなに
思ってくれるおなごは、ほかにいないからのぅ」
明神さまは、心の中で次郎に話しかけました。


「きよと次郎は、これからどうなるのだろう。若い二人
が離れて暮らしていると、いつしか心まで離れてしま
うのだろうか」
明神さまは、心の中でそっとつぶやきました。


             つづく