井戸で鳴く黄金色のにわとり

[童話]井戸で鳴く黄金色のにわとり


    井戸で鳴く黄金色のにわとり  6


父から戦の話を聞くたびに、姫は心の中でさけび
ます。
「私は、武将の娘。でも、私は、戦が大きらい」と。
そして、「一日も早く、みんなが安心して暮らせる
世の中になりますように」と、姫は祈りました。
大島城も、ここ数年は平和でした。


「姫。これは、おじいさまの絵だよ。おじいさまに、
にているかな」
「おとうさま。この絵、おじいさまにそっくり」
るり姫のことばを聞き、信廉はうれしそうでした。
「平和な世の中が、いつまでも続きますように。そ
して、おとうさまが大好きな絵や書をたくさんかけ
ますように」
姫は、そう祈りました。


              つづく