赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


    赤い夕顔の花  40


「お母さま」
「長五郎。だいじょうぶですよ」
お万は、長五郎をぎゅっとだきしめました。
長五郎は、ぶるぶるふるえています。
「こわかったのね。かわいそうに」
お万は、長五郎を再びしっかりだきしめました。


茂みの間から城をみると、城がめらめらと燃えています。
「城が燃えている。盛永さまや家臣たちは、だいじょう
ぶかしら。無事に城を逃げだすことができただろうか」
お万は、盛永や家臣たちのことを、心配しました。


           つづく