赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


    赤い夕顔の花  48


「そうべえさん。それでは、どろぼうになってしまいま
す。たとえ、夕顔の花一つでも、だまって人の物をと
ってはいけません」
お万が、そうべえにいいました。
「奥がたさま。こんな時ですからしかたがありません」
そういって、そうべえは夕顔の花を一つとり、長五郎
にわたしました。
長五郎は、うれしそうに夕顔の花をみています。


三人が農家の庭先を立ち去ろうとした時、
「こらぁー、花どろぼうめ。待てー」
どこからか、大きな声が聞こえました。
そして、おばあさんが飛び出してきました。


           つづく