尾掛松

[童話]尾掛松


    尾掛松 5


「明神さまが龍だってこと、知っていたかい」
「知らなかったな」
神様たちは、みんな驚いています。
「部屋に入ろうと思ったが、みんなを驚かしてはいけ
ないと思い、天井にはりついていたのじゃ。今から降
りていこうか」
明神さまは、ずるずると降り始めました。


「いやいや。降りてこなくていい。そこにいてくれ」
信濃は遠い。明神よ、出雲まででかけてくるのは大
変じゃろ。これからは、国にいてくだされ」
「会議の様子は、こちらから出向いて知らせるから」
「それがいい」
「それがいいわ」
神様たちは、口々にいいました。
 

          つづく