海彦山彦

[童話]海彦山彦


      海彦山彦 10


「水を一杯いただきたいのですが」
山彦は、侍女にお願いしました。
「どうぞ」
侍女は水をくみ、山彦にさしだしました。
山彦は水を飲まずに、首にかけていた玉飾りをほど
くと、口に玉をふくみ瓶にはきいれました。
すると、玉が瓶の底にくっついてしまいました。


侍女は、その玉をとろうとしたがとれません。
しかたがないので、そのまま、豊玉比売に瓶を渡しま
した。
「外に誰かいるのですか」


            つづく