大国主命

[童話]大国主命


    沼河比売(ぬなかわひめ) 9


そして、庭ではにわとりが時をつげています。
なんといまいましい鳥たちだろう。
どうか鳥たちのうるさい鳴き声をとめておくれ。
こんな意味の歌でした。


すると、沼河比売が、家の中からこんな歌を返しました。


八千矛神さま。私は、しおれた草のような女です。
私の心は、ふらふら飛ぶ水鳥のようです。
今は、自分のことしか考えていない鳥ですが、いずれは
あなたの鳥になりましょう。
だから、鳥を殺さないでください。


           つづく