沼河比売(ぬなかわひめ) 13
ところが、ある日。
出雲から、大国主命の父神がなくなったという知らせ
が届きました。
大国主命は、越の長たちに、建御名方神の後見を頼み、
出雲へ帰ることにしました。
「一緒に出雲へいってほしい」と、沼河比売にお願い
しましたが、「出雲へは行きません」と拒否されてし
まいました。
出雲には、須勢理比売(すせりひめ)やイナダヒメな
ど、おおおぜいの妃がいます。
中でも、本妻の須勢理比売のやきもちは有名でした。
玉造り集団の責任者だった沼河比売は、「越の翡翠の
権利を守らなくては」という気持が強かったのでしょ
うか。
つづく