福寿草になった少女

[童話]福寿草になった少女


福寿草になった少女 3


「わしらにも、元気なこどもがほしいのぅ」
こどもたちをみるたびに、二人はそう思い
ます。
「だんなさまも奥さまも、あんなにこども
が好きなのに、なぜこどもが授からないの
じゃろ。早くこどもが授かると良いのぅ」
長者夫婦は、こどもたちだけでなく、村の
人々からもしたわれていました。


「私たちには、もうこどもが授からないの
かしら」
「いや、そんなことはない。二人で一心に
お願いすれば、明神さまが元気なこどもを
授けてくださるにちがいない」
二人は、いつかこどもが授かると信じ、毎
日明神さまにこどものことをお願いしてい
ました。
しかし、何年たっても、こどもは授かりま
せんでした。


          つづく   





福寿草になった少女」は、
みほようこ二冊目の童話集「竜神になった
三郎」に収録されています。


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