女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの

 

座禅草が咲いている高原で 4


「川越しも、木落としも、命がけなんでしょうね」
「祭のたびに、何人もけが人がでる。時には、亡
くなる人もある。山奥から巨大な樅の木をひいて
きて、四つの神社に四本ずつ大きな柱を建てる。
御柱祭って、ふしぎなお祭だね」
きよと清太は、何年か前にみた御柱祭を、なつか
しく思い出しました。


「諏訪の神様は、何とよばれているか、知っている?」
「明神さまでしょ」
「よく知っているね。諏訪の神様は、諏訪明神とよ
ばれている。農耕の神様・狩猟の神様・風の神様と
もよばれているんだよ。諏訪大社はね、日本で最も
古い神社の一つなんだって。おらも、佐久へくる前
は、かあちゃんと一緒に、よくお参りに行ったよ」
清太が、故郷の諏訪のことをくわしく話してくれた
のは、今日が初めてでした。


         つづく