火とぼし山

[童話]火とぼし山


第一章  次郎、西の村へ 3


「二回目に行った時も、福寿草の花はなかなかみつ
からなかった。あきらめて帰ろうとした時、ふもとの畑
の土手に、黄金色の花が咲いていた。きれいだった
ね」
きよと次郎は、土手一面に咲いていた福寿草の花を、
なつかしく思い出しました。


「やっとみつけたぁ」
そういって、二人でとびあがって喜んだことも思い出
しました。
「次郎さん。また福寿草の花をみに行こうよ」
「うん。行こう」
二人は、七年前のことを思い出し、幸せな気持にな
りました。


「きよちゃん。おれ・・・」
次郎が、もじもじしています。
「どうしたの。次郎さん」
「大事な話がある」


             つづく