火とぼし山

[童話]火とぼし山


第六章  湖を泳ぐ娘 17


その人は、大きな農家の一人娘。
その人と結婚すれば、次郎さんは一生気楽に暮ら
していけるものね。
だから、次郎さんは、私がじゃまなのではないだろ
うか。
きよは、次郎と過ごした日々を思い出しながら、とぼ
とぼと家に帰りました。


「私と次郎さんは、これからどうなるのだろう。いつか
次郎さんと別れる日がくるのだろうか」
きよは、不安な気持で、毎日を過ごしました。

  
             つづく