火とぼし山

[童話]火とぼし山


第二章  再会 4


「はい、次郎さん。むすびよ」
「むすび?」
「次郎さんに食べてもらおうと思って、持ってきたの。
食べて」
きよは、次郎にむすびをわたしました。
「うまいっ」
「おいしいでしょ。次郎さん」


「うん、うまい。きよちゃん、中に入っている梅ぼしも、
おいしいね」
「その梅ぼし、私がつけたの」
「へぇー、上手につかっているね。きよちゃん、この
むすび温かいけれど、どうしたの」
「私、手で温めながら、歩いてきたの」
二人は、ならんでむすびを食べました。


             つづく