火とぼし山

[童話]火とぼし山


第二章  再会 6


「次郎さん。野良の仕事は、疲れるでしょ」
「なれない仕事だから疲れる。夜になると、体中が
痛くて」
腰をさすりながら、次郎がいいました。
「次郎さん。体だけは気をつけてね」
「きよちゃんもね」
二人は、別れてからのことを、一晩中語りあかしま
した。
楽しいひとときでした。


東の空が、だんだんに明るくなってきました。
「きよちゃん。ぼつぼつ帰らないと、仕事に間に合
わないよ。一睡もしていないけれど、だいじょうぶ」
「若いから、平気よ。じゃあ、帰るわ。次郎さん、今
度はいつ会えるの」
「十日後、会おう」


             つづく