火とぼし山

[童話]火とぼし山


第四章  一ヶ月に一度の出会い 5


次の朝。
「次郎さん。今度は、いつ会えるの」
きよが聞きました。
「今、野良の仕事が忙しい。だから、今度会うのは、
一カ月後かな」
「一カ月後?」
「そう、一カ月後」
「一カ月も、次郎さんに会えないの。そんなのいや。
私、毎晩でも次郎さんに会いたい」
きよは、自分の気持を伝えました。


すると、
「きよちゃん。実は、おれ・・・」
次郎が、いいにくそうに話を始めました。
「次郎さん。どうしたの」
「実は、きよちゃんと」
次郎さんて、ほんとにじれったい人ね。いいたいこ
とがあれば、はっきりいえばいいのにと、きよは思い
ました。


             つづく