火とぼし山

[童話]火とぼし山


第四章  一ヶ月に一度の出会い 6


「きよちゃんと会っていることが、主人にばれてしま
ったんだ。だから、しばらくきよちゃんとは会えない」
「どうして、私たちが会っていることが、わかったの」
「おれ、きよちゃんと会う日には、家に用事があると
いって、ここへきていたんだ」
「次郎さん。なぜ、ほんとのことを、主人にいわなか
ったの。最初にきちんと話しておけば、なんでもない
ことなのに。次郎さんは私と会うことが迷惑だったの」
きよが、強い口調でいいました。


次郎は、こんなきよをみたことがなかったので、びっ
くりしました。
「いや、ちっとも迷惑ではない。ただ、きよちゃんのこ
とを、主人に話せなかったんだ」


             つづく