[童話]火とぼし山
第六章 湖を泳ぐ娘 14
「次郎さん。うそつきなんていって、ごめんね。でも、
次郎さんは、ほんとのことをいっていない」
「きよちゃん。おれ、うそなんかいっていない」
「ほんと? 次郎さん」
「ほんとだよ」
きよは、次郎の顔をじっとみました。
次郎は、目をそらしました。
「私にはわかる。次郎さんが、その人と会っていると
いうことが」
「・・・・・・」
「次郎さん。その人と会っているでしょ」
「きよちゃん。なぜわかるの」
つづく