火とぼし山

[童話]火とぼし山


第七章  新しい出発 5


「小坂観音沖の淵じゃ」
「わかりました。すぐ行きます」
「手長、足長。きよのこと、たのんだぞ」
「はい、承知しました」
手長と足長は、いそいで小坂観音沖の淵へ向かい
ました。


淵へつくと、淵は大きなうずをまいていました。
うずは、ごぉーと大きな音をたてています。
二人は、淵のまわりをみわたしました。
でも、きよの姿はありません。
「きよは、このうずにまきこまれてしまったのね。
かわいそうに」
「このうずでは、助からないだろう」


               つづく